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M-1グランプリ2009感想

M-1グランプリ | 2009年12月21日 |

例年通りの長文なので興味がおありの方だけ・・・。
(文責:管理人ハエ)
【出場枠について】
これは以前のM-1でフットボールアワーが再参戦した時にも感じたのですが、前回の優勝コンビがまた次のM-1に出られるというルールは、その年の漫才の日本一を決める大会としてどうなんでしょうかね?全員が同じプレッシャーの元で漫才をする事が、ガチンコ勝負を標榜するM-1グランプリには絶対に必要な条件なのではないかと思っているのですが、今回のM-1においては明らかにNON STYLEだけ、他のコンビと比べて漫才に余裕があったように見えました。
それはおそらくM-1を一度制覇しているという自信から来る余裕だったはずで、優勝の経験のない他のコンビとはモチベーションの質が全く異なっていたはず。だから逆に今回のNON STYLEの漫才には生々しさがなかったと言うか、少なくともM-1で見るべき漫才ではない、という印象を強く持ちました。
ただこれはNON STYLEが悪い訳ではなくむしろ運営側の問題なので、出来ればM-1の優勝経験者は次回以降のM-1には出場させない、くらいのルールは設けてほしいと思います。今頃言っても遅いのかも知れませんが。
それから10年ルールについて。現在はコンビ結成からの年数で出場の可否が決まっているようですが、「一体どの時点がその漫才コンビにとって10年目なのか」という規則づくりが不徹底だったのか、結成10年のライン上にいる漫才師の来年の出場を巡って混乱が起きていたようです。エンディングでは笑い飯が島田紳助に「今年で最後」と言われてしまったのもそう。他にもポイズンガールバンドが似たような経験をしたようです。
10年ルールというのは漫才師にとっても視聴者にとっても、非常に大きなドラマを生む重要な要素でもあると思うので、その運用については厳密にルール化して、きちんと周知して欲しいところです。
【ネタ総評】
1. ナイツ
1番手でいきなり高得点を獲得したのでこの後の展開はどうなるんだろうとヒヤヒヤしてしまいました。ネタもこなれてるし漫才も安定しているんだけど、なんと言うか妙に落ち着いた感じがやっぱりどうも苦手ですね…と何だか去年と全く同じ事を書いてしまいましたね。
2. 南海キャンディーズ
しずちゃんがちゃんとネタを演じていた(!)ところに南海の新たな意気込みを感じたのですが、それで漫才がうまく回っていたかというと、ちょっと微妙だったかも。山里のツッコミも冴え渡っていただけに残念です。ただ今後の展開次第では、M-1優勝のチャンスはまだまだ十分にあるコンビだと思います。
3. 東京ダイナマイト
いきなり漫才を始めながら登場したところは笑いました。ネタがM-1向きでない事は重々承知、それでも堂々とやってしまうところに漢を感じます。個人的には(笑い飯を除いて)一番好きなネタだったかも知れません。
4. ハリセンボン
本戦出場レベルのネタではなかったような気がしますが。。。
もっと他に面白い漫才師はいなかったのでしょうか?
5. 笑い飯
単独ライブでも大変な反響を得ていた「鳥人」が大爆発しました。「奈良歴史民族博物館」を超えるネタはもう出ないだろうと思っていたのですが、それも間違いだったようです。民博ネタ同様、漫才史に残る素晴らしい作品であり、リアルタイムであの瞬間を体験出来た事は、お笑い好きとして本当に幸福だったと言わざるを得ません。あの後何度か録画を見直しましが、間もテンポも完璧だったと思います。
個人的には1回戦を「蟻」で3位ギリギリで決勝進出、決勝戦で「鳥人」をやって優勝という予想をしていたのですが、見事に裏切られてしまいました。
・・・それにしても、それにしても、なんでいまごろチンポジ????
6. ハライチ
「鳥人」の後はつらかったと思いますが、枕でちょっと客が引いてしまったかも。相方のボケにどんどん乗っていくところがこのコンビの魅力だと思うので、もっとその辺りを積極的に押して欲しかったです。うまく行けば昨年のオードリーのようにブレイクしていたかも知れないのに、もったいない。
7. モンスターエンジン
二人ともなまじ才能があるので、逆に何をやっていいのかまだ決めかねている感じでしたね。(これも以前に書いた事ですが)未来の関西のお笑い界を背負って立つ二人だと思っていますので、めげずにどんどん進化していって欲しいです。
8. パンクブーブー
優勝おめでとうございます。
確かにネタの完成度も高く勢いもあったと思うのですが、どうもアンタッチャブルの影がちらついて仕方ありませんでした。「チンポジだけには負けたくない」というのは今年のM-1の名言。
9. NON STYLE
ネタの完成度としては今回のメンバーの中では一番高かったのではないかと思うのですが、しかし先の理由により評価はしていません。彼らははそろそろ次のステージへと進む段階だと思うのですが・・・
とは言え漫才師にとってM-1グランプリの次のステージが事実上存在しない、という事こそが、現在のお笑い界の真の不幸なのではないかと考えています。人材は揃っているのにもったいない話ですね。